絵本の出版で難しい【アナログ原稿のタッチ再現】
「絵本の出版をしたい」というお話はちょくちょくあります。
人気ジャンルですね!
その中で、具体的な作品例を見せてくれた方がいます。
Instagramに上がっている原稿・作品を拝見したところ……
絵と一緒に、毛糸や石などの素材がたくさん貼り付けられています!
素敵。
すごく素敵なんですけれど、これは出版が難しい素材です。
今週のお題「ゾッとした話」
極論、お金をかければ可能
……ですが、お金を出せない人がほとんどです。
このタイプの趣向が凝らされた作品を印刷物にするには、単純な平面、ひいてはフルデータと比べると大変なのです。
- その筋のカメラマンに撮影してもらう
- 撮影データをデザイナーがもみほぐす
- ようやく、ふつうの出版と同じ流れに
「その筋のカメラマン」とは、油絵やデコパージュのような芸術作品を平面媒体用に撮影するのが得意なカメラマンさんのこと。
こういう方に撮ってもらわなくては、再現できないのです。
絵本をメインで扱っている出版社の人をつかまえて、聞いてみた
なんか悔しい。
ので、普通の出版社ではなく、絵本がメインの出版社さん&ちょうど一緒にいた絵本作家さんに聞きましたよ。
「「うわー、それはちょっと、、難しいですね」」
やっぱりそうですか(T−T)
でも、絵本の出版社の人がそうおっしゃるくらいの難題なので、私のような一介のグラフィックデザイナーでは厳しいのだとわかりました。
(お教えいただきありがとうございました!)
たとえばこんな妥協案になってくる
立体物を含めた趣向が凝らされた絵本作品の原稿。
低コストで出版するとなると、
- 通常スキャンの出来栄えで我慢してもらう
- 私か御本人が撮影する
になってきます。
心を込めて制作された作品なのに、申し訳ないことです。
もし
「印刷物にするために、そこは妥協しますよ〜!」
と仰ってくれるなら、対応可能なのですが……。
絵本は、時代の流れで趣向を凝らした対応が難しくなっているようです
この件以外にも、特別な装丁の絵本を作れる印刷所が国内にはほとんどなくなってしまったことなどがありまして。
それでも「絵本を出版したい!」ということ自体は応援し続けたいです。
できる範囲を相談しながら、一緒にやっていきます。